シリーズ “Talk your story. Learn new world.” 第2回「アフガニスタン」

chaptertwo/ 12 23, 2018/ 未分類

シリーズ”Talk your story Learn new world”、第2回は「アフガニスタン」

〇シリーズ主催目的
「遠い国の出来事」「自分とは関係のない人の話」は無意識にスワイプしてしまう。
けれど、ひとたび誰かと向き合って語り合うという経験をすれば、
その人自身やその人のバックグラウンドに関心を寄せずにはいられなくなる。
そんな経験がある人は多いだろう。そしてその関心が深まるきっかけがあれば、人は何らかのアクションを起こす。
「無関心事」から「関心事」、そしてアクションへ。
Chapter Two の通常運営は、「無関心事」から「関心事」へと変わるきっかけづくりを狙いとしているが、
本シリーズではそこからさらにアクションへと繋げる。

〇登壇者の紹介
ほんだ たかし氏
国連児童基金(UNICEF)、外務省でアフガニスタン支援担当官として2014年~2018年の間、勤務したことからアフ愛(?)に目覚める。
アフガン以前は、UNICEF,JICA,ADB(アジア開発銀行)でモンゴル8年+ネパール2年間、水衛生+大気汚染関連の業務に従事。
現在、フリーランスのコンサルタントとして主に水衛生関連の業務を行っている。スウェーデン王立工科大学院(環境工学)を修了。

Ali Alex Arifi 氏
アフガニスタン カブール出身。
モンゴルのウランバートル大学で国際経営学を学び、
現在、東京外国語大学院で平和構築学を専攻する傍ら文教大学で英語講師として勤務している。
また英語やペルシャ語でアフガニスタン情勢について発信、寄稿を続けている。

◯「アフガニスタン」
1970年代から現在に至るまで不安定な情勢が続くアフガニスタン。
1978年から10年にわたるソ連侵攻、タリバン政権支配、2001年の同時多発テロより始まったアフガン戦争。
現在に至るまで複雑に入り組んだ紛争は収まらず、多大な犠牲者を出している。
今回は2014年から4年間、UNICEFや外務省職員としてアフガニスタンで勤務されていたほんだたかしさんと
アフガニスタン人(ハザラ人)のAli Alex Arifiさんをお迎えし、アフガニスタンの今を知る。

◯ソ連支配時代から現在に至るまでのアフガニスタン
<ソ連による支配時代>
「共産主義は悪だ」という見方もあるが、女性の教育を推進したり、自由にファッションを楽しんだり、良い面もあったという。
見せていただいた写真からは「先進的」な印象を受け、「これが70年代のアフガンなのか」と驚きを覚えた。

<内戦>
ソ連が影響力を持つことを良しとしないアメリカはムジャーヒディーン(イスラム教の大義に則って連携した民兵)に武器を与え蜂起させた。
そして国中に争いがまみれ、混沌としていく。
この構造はあらゆる地で再生産されているように思う。
大国の覇権主義と武器産業が世界をコントロールしている。

<タリバンの台頭>
政治的空白に理想を掲げ登場する力は、時に人々の目に英雄的に映ることがある。タリバンもそうだった。
パキスタンからやってきた神学生=タリバンはイスラム教の大義を掲げ、
当初は歓迎されすらした。混沌とした世界に「法と裁き」をもたらした、と思われた。
しかしカブールなどの都市を制圧すると急激に過激化し、人々から自由を奪った。
女性の教育を禁じ、娯楽を奪い、新たな「娯楽」を与えるため、残酷な公開処刑を頻繁に行った。
恐怖による支配だ。
政治的空白に入り込んでくる過激勢力が人々を抑圧していく構造もまた繰り返されている。

<2001年~アフガン戦争>
アメリカ同時多発テロの首謀者アルカイダの引き渡しに応じなかったタリバンに対し、アメリカが武力を行使。
2003年、アメリカはアフガニスタンでの戦闘任務が終了したと宣言。

<アフガン戦争後>
「民主的な政権」が樹立された一方、タリバンは勢力を回復。
現在に至るまで広範囲に渡って影響力を行使しており、絶えず戦闘が繰り広げられている。
死者・負傷者とも年々増加の一途を辿っている。

◯現在のアフガニスタン
<国家予算の90%以上が他国からの援助>
国を支える産業がなく、他国からの援助により国が成り立っている。
「何を作るのにいくらかかるから、いくら援助する」という流れではなく、
「どの国がいくら援助する」ということが先行している。
援助が「潤沢」であるため、カブールはバブルの様相を呈しているそうだ。

<日本によるアフガン支援>
アフガニスタンの自立のため、主に農業・交通・教育・衛生という面での支援を続けている。
就学率は70%ほどにまでは上昇している。未就学30%のほとんどは女性。
識字率は30%ほど。衛生管理の知識もまだ広まっておらず、結核やポリオの罹患者も多い。
無償資金協力額は日本が世界トップで、2001年から約7200億円を拠出。
アフガニスタン警察に対する賃金は日本が援助しており、毎年150億円を拠出している。

◯私たちに何ができるのか
登壇者のほんださんとAliさんからの問いかけ
・「気づき」と「情報共有」
・安全保障は教育・貧困・女性へのエンパワーメントなどと関連している
・例えば子供の教育のために寄付をする、アフガン女性のハンドメイドのお土産品を買う、など

アフガニスタンに何年にも渡り生活していたほんださんとアフガニスタン人であるAliさんの生の声を聞くことができた今回の機会は、
誰かが書いた本を読んだり誰かが選んだニュースを見たりするのとは本質的に違うものだ。
それは個人的なつながりがあって、その人の目と耳を通した情報に触れられる機会だからだ。
その人から得る情報は無機質な情報ではなく、理性と感性とに直接届き、「自分に何ができるだろう」という考えに直結する。

世界には問題が多すぎる。その全てに何か働きかけることは難しいのかも知れない。
しかし、まず「知りたい」と思い、知識を得ることから始める。
その時点で、「何かせずにはいられない」という思いが湧いてくるのならば、それはその人の「役割」だ。

全知全能でなく、有限である私たちは、持てる能力や財産を自分の欲望を満たすために浪費するのではなく、
あまりに不均衡なこの世界で抑圧された立場にある存在に寄り添うことにより、限りある生を全うできるのではないかと思う。
Chapter Twoは問題提起をし、多くの人に「何かせずにはいられない」という思いを抱いてもらえる機会を作っていきたい。